台東区
枯蓮の上を吹く冷たく乾いた風、上空を飛び回る渡り鳥、上野の不忍池に冬がやってきました。寒々とした寂寥感は、米国人画家アンドリュー・ワイエスが描くメイン州の風景と似ている気がします。行ったことありませんが。 超広角で空を見上げて何枚か撮ってい…
すっかり更新が滞り、気がつけば半年が経っていました。そんな怠惰だった令和元年も、最後は上野・アメ横で最後を迎えました。人混み、活気がたまりません。みなさま、良いお年をお迎えください。 大混雑を覚悟していましたが、意外にスムーズに歩けました。…
4月第2週の週末、上野の桜は盛りを過ぎて少し散り気味。それでも不忍池の水面に浮かぶ花びらをコイが飲み込んだり、少なくなり始めた花をスズメがついばんだり、満開のときとは違った表情が楽しめました。さすが上野の桜だと改めて思いました。人出もさす…
毎年この時期になると、不忍池を見たくなります。黒い池に広がる枯れ果てたハスを見て、寒々とした冬の荒涼感を味わいたいのです。低い位置から斜めに差し込む太陽の光を受け、ハスは黄金色に輝いていましたが、どこか物寂しさが漂っていました。 北から飛ん…
明けましておめでとうございます。読者のみなさま、本年もよろしくお願いします。もう少し更新頻度を増やすことが今年の目標です。 2019年第1弾は、隅田川から見た初日の出です。浅草寺よりもさらに北、言問橋付近から東京スカイツリーの背後の昇る太陽…
すでに日付と年が変わってしまいましたが、2018年の最後はアメ横で雑踏に揉まれ、有楽町のペニンシュラ東京でスパークリングワインを飲んで締めました。みなさま、1年間ブログをお読みいただきありがとございました。2019年もよろしくお願いします…
台東区は日本最大の皮革産業集積地です。「あしたのジョー」で有名な泪橋近くにある玉姫稲荷神社では、4月と11月の年2回、靴の安売り市が開かれます。境内には靴屋が、外には財布などを扱う店が並び、多くの人で賑わっていました。 4月の「こんこん靴市…
今年は三の酉まである年。日曜日と重なり、浅草・鷲神社は大賑わいでした。雑踏の中から「良いお年を〜」なんて声も聞こえ、クリスマスをすっ飛ばして大晦日の雰囲気でした。 「繁盛、繁盛、繁盛」という掛け声があちこちから聞こえ、熊手はよく売れているよ…
「小ちゃいころの朝の匂い、甘い桃の匂いがしてたら、確か夏だった、それが夏だった」ーーレミオロメンの名曲「東京」のこの歌詞を聴くたびに、「ああ、なんか分かる、夏の朝の匂い。でも桃じゃない」という、服の上から背中を掻くようなもどかしい思いをし…
暑すぎて何もやる気が起きず、先週撮った浅草寺のほおずき市の様子も、1週間経ってようやくアップする始末です。ほおずき生産者には申し訳ありませんが、素人には鉢の良し悪しが分かりません。買い手の多くは売り子で決めているのではないでしょうか。今年…
3年ぶりという皆既月食、夜空が明るい浅草橋からもよく見えました。 ※Nikon D7100で撮影 にほんブログ村
冬の不忍池は、越冬のために北から渡ってきた水鳥で賑わいます。私が小学生だった30年以上前は、シベリアから来たカモの天国でしたが、今はおそらくユリカモメもしくはウミネコが数で圧倒しています。陽の光でキラキラと輝く水面をバックに、ときにコミカ…
上野駅近くの翁庵で年越し蕎麦を食べ、買い出し客でごった返すアメ横へ。大晦日に定番としているコースを2017年も満喫しました。みなさま、たいへんお世話になりました。新しい年もよろしくお願いします。 木造2階建ての大衆的な蕎麦屋「翁庵」。上野駅…
その年の「顔」が主役になる浅草寺の羽子板市。今年はというと、シャンシャンのようです。意気込んで浅草寺に行ったのに、なぜ「ようです」と断定できないかというと、市は翌日からだったためです。完全にフライング。12月17〜19日でした。準備をして…
春は薄ピンク一色にほぼ染まる上野公園ですが、この時期は赤、黄色、緑と賑やかになります。都内の公園をいろいろ見て回ったなかでも、ここは3本の指に入る美しさではないかと思っています。 階段を上ると、顔だけが残っている上野大仏が鎮座しています。そ…
3年前の6月に参拝したときは雨だった待乳山(まつちやま)聖天を再訪しました。都内で最も低い山に立つ、都内屈指のパワースポット。見事に雲ひとつない青空が広がり、黄色いイチョウが輝いていました。 推古3年(西暦595年)に突如地面が隆起して山が…
久しぶりに10ー20ミリ(APS-C)のズームレンズを持ち出し、秋の寛永寺周辺を広角レンズで撮ってみました。 徳川家の菩提寺、寛永寺の中心的存在である根本中堂。境内の鐘楼は、黄色くなったイチョウの大木に囲まれていました。松尾芭蕉が「花の雲、…
ちょっと前の話になりますが、上野松坂屋南館の跡地にできた新施設「パルコヤ」へ行ってきました。オープン2日目、しかも週末。ここに並ぶのは、小学生時代にガンダムのプラモデルを求めて行列して以来です。あのときは朝6時から開店時間の10時まで並び…
明治27年から35歳で亡くなるまでの8年間、正岡子規が暮らした家が鶯谷のラブホテル街にあります。故郷の松山から母親と妹を呼び寄せ、ここで結核と闘いながら俳人としての活動を続けたそうです。庭に出ると、生い茂る草木から夏の匂いがしました。 昭和…
恒例の上野夏まつりが始まりました。といっても、8月13日までの期間を通じて連日催されるのは、不忍池のほとりに立つ骨董市くらい。裸電球の下に並んだガラク、いや骨董品はどれも怪しく、池から漂う蓮の匂いと相まって、淫靡な空気を放っています。 上野…
毎年7月9、10日に開かれる浅草寺のほおずき市、例年は夕暮れ時に訪れますが、今年は趣向を変えて明るい真昼間に行きました。仄暗い中に裸電球が浮かぶ情景は見られませんでしたが、ほおずきと一緒に売られている風鈴に強い日差しが反射し、夏の到来を感…
今年も大盛況でした、合羽橋の七夕祭り。テキ屋の屋台ではなく、沿道や地方のリアル店舗が露店を出しているのがポイント高いです。アスファルトが溶けそうなくらいの暑さの中、コメを使った宮城県の発泡酒と、スパイスの効いたカレーを買い食いしました。 台…
東京下町の祭シーズンのトリを飾る鳥越祭の1日目。本社神輿の宮入りを翌日に控え、各氏子町会の神輿は午後7時を過ぎると火が入りました。今回私が担いだ小島一丁目町会は、隣の小島二丁目東、同西の神輿とともに連合を作り、3基で並んで練り歩きました。…
9回目を迎えた「モノマチ」、だいぶ世の中に定着してきた感があるようなないような。御徒町、蔵前、浅草橋に点在する職人さんや問屋さん、小売店など170の参加者が出店する年に一度の雑貨イベントです。文具や食器、アクセサリーや革製品など、「mono ma…
全国ブランドの三社祭も、浅草寺から離れると様相が変わります。今年は観音裏と呼ばれる言問通りを挟んだ浅草公園の北側で神輿を見物してきました。ここまで来る観光客は少なく、地元密着感の強い三社祭を見ることができます。 浅草4丁目あたりです。地元商…
気がつけば1年が経ち、下谷の大祭から始まる下町の祭りシーズンが今年も到来しました。草木茂る下谷神社の境内に足を踏み入れると、子供の頃に地元の神田明神でかいだ生臭い葉っぱの匂いがして、少年時代の祭りの記憶が蘇りました。 下谷神社の祭りは最終日…
久しぶりに隅田川へ行ったら、なぜか遊歩道にたくさんの鯉のぼりが飾られていました。今年から、地元の町会が「隅田川こいのぼりフェスティバル in 柳橋」というのを企画することになったそうです。グーグルで検索すると、たしかに読売と東京新聞が記事にし…
松飾りやしめ縄を燃やし、正月に迎えた神様を送り出す「とんど焼き」に参加してきました。「とんど」と連呼しながら長い竹ざおで地面を叩き、火の周りを回ります。最後に餅を焼いて食べると、その年は無病息災を期待できるとか。年末からの風邪が今も完治し…
師走が似合う街、アメ横は今年の大晦日も大賑わいでした。海産物や皮革製品の匂いが漂う雑踏に揉まれ、無事に2016年を締めくくれそうです。皆様、今年もブログをお読みいただきありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。 立ち止まると後…
リーマン危機でゼネラル・モーターズが倒産した直後の7年前、デトロイトへ行きました。どこもかしこも空き家だらけ、火が暮れてからはとても出歩けない雰囲気でしたが、デトロイト美術館にはこの街がかつて栄華を極めた証がありました。世界から集めた名作…