【9】台東区浅草 吉原
江戸幕府公認の遊郭があった吉原は、戦後に公娼制度が廃止されると赤線地帯へと変わり、さらに昭和33年の売春防止法施行で壊滅的な打撃を受けました。しかし風俗街としての遺伝子は潰えることなく、今は風営法で許可された個室付き特殊浴場、すなわちソープランドが立ち並んでいます。ちなみに吉原という地名は「吉原大門(おおもん)」という交差点に残っていますが、現在の住居表示は台東区千束四丁目辺りです。
吉原の通りは南北に縦横ではなく、すべて斜めに走っています。遊郭時代の名残りで、どの方向を向いても客が北枕で寝ないように街が設計されたという説があります。
かつてこの場所に門が建っていたそうです。吉原の遊郭は四方を堀と塀に囲まれ、唯一この門がだけが外部に通じていたということです。遊女が逃げるのを防ぐためだったと言われています
早朝で人影まばらです。スカイツリーからは2キロぐらいです。
名前に引かれてシャッターを押しました。アパートなのか何なのか分かりません。
店のネーミングはどうやって考えるのか興味があります。秘書室って…。
古い家の窓。ひさしが普通ではないので、かつては売春宿として使われていたのでしょうか。
風俗店に混じって民家らしき建物も並んでいます。
ここは家人が「みどりのおばさん」をやっているのでしょうか。玄関先に飾ってありました。
吉原大門の交差点近くに立つ「見返り柳」。遊び終えた客が帰り際に後ろ髪を引かれ、この辺りで遊郭のほうを振り返ったことから名付けられたそうです。
かつては暗渠でしたが今は完全に埋め立てられ、山谷堀公園となっています。「古本屋の店は、山谷堀の流が地下の暗渠に接続するあたりから、大門前日本堤橋のたもとへ出ようとする薄暗い裏通にある」ーー永井荷風の濹東綺譚の導入部で、主人公が古雑誌と長襦袢を買った古本屋はこの辺りにあったものと思われます。
※Fuji X20で撮影