【69】文京区小石川 こんにゃくえんま
「こんにゃく」と「閻魔大王」、いったい何の関係があるのか、地図を眺めていたら何とも不思議な名前の寺が目に留まりました。実際に行ってみると、こじんまりとした寺ながら、閻魔様をはじめ見どころ満載。とくに、サイパンの戦火をくぐり抜けて太平洋を往復した釣り鐘が、静かに佇んでいるのには驚きました。参拝後は門前のラーメン屋で温まりました。
「こんにゃくえんま」、右目が割れて黄色く濁っているのが特徴です。目の病気を患った老婆が閻魔様に祈願したところ、彼女の目は治り、代わりに閻魔様の右目が見えなくなったそうです。感謝した老婆は、好物のこんにゃくを食べるのを我慢し、閻魔様にお供えするようになったと伝えられています。閻魔像は鎌倉時代の作とみられています。
正式名称は源覚寺。1628年、この場所に創建されたそうです。最寄駅は都営線の春日駅または東京メトロの後楽園駅です。境内には閻魔様が鎮座する本堂、毘沙門天、塩地蔵、釣り鐘などがあります。
【31】の西新井大師で見た塩地蔵はイボに、こちらは歯痛に効くそうです。
1937年に、当時日本領だったサイパンの南洋寺へ渡った「汎太平洋の鐘」。サイパン玉砕後に所在不明となりましたが、1965年に米テキサス州で発見、1974年に源覚寺へ戻ってきました。
門前の通りを渡ったところにあるラーメン屋「魚雷」。かつお出汁をサイフォンで抽出するという、こだわりの調理法。
玉子とホウレンソウのほか、カツオ出汁をムース状にしたものが載っています。さらに具材を3種類選べます。焼き豚、メンマ、キクラゲをチョイス、別皿に盛られてきました。さっぱりとした醤油ラーメン、とても美味しくいただきました。