Shooting Tokyo

東京を撮り歩く

【81】大田区山王 文士村

池上通り沿いのゴチャゴチャした商店街から丘を登ると、山王の高級住宅街が広がっています。そこには、かつて徳富蘇峰尾崎士郎高見順といった文筆家が多く居を構えていました。馬込エリアにも広がる文士村は途方もなく広大なうえ、坂が多く、とても歩いて回りきれないため、今回は山王だけに絞りました。

 

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JR大森駅西口の改札を出て、池上通りを渡ると、天祖神社に通じる階段が目に入ります。階段の途中、ここに住んでいた文筆家のレリーフが飾られています。関東大震災後、のちに自伝的小説「人生劇場」が大ヒットする尾崎士郎の誘いで移り住んできたきたそうです。田畑の広がる村だった一帯は、どんどん宅地化が進んでいったようです。

 

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この奥左手に建つ大田区立山王会館の1階に、「馬込文士村資料室」があります。この地にゆかりのある芸術家、文筆家の資料を収集、一部を展示しています。それにしても山王の高級住宅街ぶりはものすごいです。邸宅は各戸が古く、部外者立ち入り禁止的な荘厳なオーラを放っています。

  

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文士が住んでいた場所には、こうして案内板が立っています。

 

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日刊紙「国民新聞」を創刊した徳富蘇峰の邸宅「山王草堂」。蘇峰公園という美しい公園の中に保存、再現されています。織田信長の時代から西南戦争までを綴った全100巻の近代通史「近世日本国民史」の原稿が展示されています。

 

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尾崎士郎の記念館。邸宅が再現され、建物の外から居間の様子などを見ることができます。

 

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児童公園が併設された弁天池。池にぐるりと囲まれた島に建つのは厳島神社です。静寂な住宅街に、子供達の遊ぶ声が響いていました。

 

Sony NEX-6で撮影

 

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