【107】台東区柳橋 花街の残り香 「ルーサイトギャラリー」
伊藤博文が通った柳橋の料亭街も、今はほとんど面影がありません。数少ない名残りの1つが、「ルーサイトギャラリー」です。かつての芸者宅を改装した隅田川沿いの骨董店兼カフェは、テラスに出ると心地良い風が吹いています。
昭和の流行歌手でもあった市丸という芸者が戦後に建てた邸宅だったそうです。ギャラリーに改装、2001年にオープンしました。門から玄関までのアプローチが長く、日本家屋らしい造りです。市丸は、近衛文麿の妾だったとされています。
骨董店らしく、アンティークな家具と調度品。部屋に入った瞬間、「うわぁ」と声を出さずには入られませんでした。後続の客も、必ずみんな「うわぁ」とか「素敵」とか口にしていました。
水出しアイスコーヒーとケーキをいただきました。2階の窓からは、川向こうの両国の明かりが見えます。
2階からテラスに出られます。とても蒸し暑い夜でしたが、川沿いは風が冷気を含んでいて、何時間でもここにいたいと思いました。
優しい光が、温かみのある日本家屋の床や窓を照らしていました。気持ちがとても落ち着きました。
※Ricoh GRで撮影
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