【138】新宿区霞ヶ丘町 東京五輪の陰で
こんな一等地に団地があるのか、そんな程度の認識でした。国立競技場の周辺を歩くと、いつも何となく目に入る年季の入った建物群、都営霞ヶ丘アパートです。2020年の東京五輪で一帯が再開発されるのに伴い、この団地もなくなります。すでにほとんどの住民が立ち退き、廃墟に近い状態でした。
JR総武線の千駄ケ谷駅から徒歩10分くらい。東京体育館を抜け、工事中の国立競技場の脇を歩いて行くと、1961年に完成した白い建物群が現れます。
残された自転車。当時は最新の住宅だったのでしょう。老朽化が進み、かつ立ち退きによって人が住まなくなり、荒れています。
工事が始まろうとしていますが、まだ移転に応じていない住人もいるようです。半世紀前の五輪のときも霞ヶ丘町は再開発され、立ち退いた近隣住民の中にはこの団地に引っ越してきた人もいたそうです。
周辺に大型スーパーなどは見たらないので、高齢で足腰の弱った人にとって、このマーケットは貴重な存在だったのだと思います。
給水塔と公園。
次々と問題が起こる呪われた新国立競技場、工事の進捗はこんな感じです。取り壊されたまま放置され、デザインし直されたスタジアム建設はまだ始まっていません。
※Ricoh GRで撮影