【159】千代田区北の丸公園 皇居の高射砲跡
千鳥ヶ淵の代官町通りの土手を上がったところに、コンクリートでできたベンチのようなものが点在していました。第2次大戦の終盤、皇居防衛のために造られた高射砲の台座です。終戦を迎えつつあった今から71年前も、この辺りはセミの声に包まれていたのでしょうか。
こうした台座が7つありました。この上に砲が載っていたのでしょう。今でいうパトリオット迎撃ミサイルでしょうか。1944年に、皇居防衛のために造られたそうです。しかし、B29は飛行高度が高すぎて、この砲では弾が届かなかったそうです。
今は草むらに覆われています。この日はとても暑い日で、セミの声で耳が痛くなるほどでした。当時はどんな様子だったのでしょうか。
皇居周辺は都心と思えない自然の宝庫です。
代官通りを竹橋方面へ。首都高の上を渡ります。
皇居の守備に当たっていた近衛師団司令部跡です。1910年に完成、ほぼ原型をとどめているそうです。1977年以降、東京国立近代美術館の工芸館となっています。
北の丸公園の武道館側。近衛第一連隊の記念碑がありました。1874年から終戦までの71年間、ここに駐屯していたそうです。
こちらは近衛第二連隊の記念碑。公園の木々に囲まれ、ひっそりと佇んでいました。
1936年の二二六事件で戒厳司令部が置かれた旧軍人会館。「兵ニ告グ」と原隊復帰を呼び掛けた放送はここから流さました。在郷軍人会の本部として、予備役の訓練などに使われていたそうです。戦後は九段会館と改称し、日本遺族会の施設となっていましたが、2011年の東日本大震災で天井が崩落、今は閉鎖されています。
※Ricoh GRで撮影
一昨年、昨年の戦跡探訪記です。