【246】墨田区常盤 大川端に春の気配
大川端とは隅田川の下流、とくに吾妻橋から新大橋付近までの右岸一帯を指すそうです。東京はいまだ寒い日が続きますが、陽の光が水面を反射する大川端を歩くと、わずかに春の気配を感じます。新大橋近くには、松尾芭蕉が「奥の細道」の旅へ発った芭蕉庵があり、今は記念館と小公園として整備されています。
新大橋から下流を臨みます。向こうに見えるのは清洲橋。深川側の清澄と、日本橋側の中洲を結ぶので清洲橋です。
墨田区側の隅田川遊歩道に沿って、堤防の外側にこんな道がありました。居並ぶビルの裏手と挟まれた細長い道で、誰も歩いていませんでした。左手の堤防に立てかけられているように設置された銅板には、松尾芭蕉の「奥の細道」の行程が描かれていました。
松尾芭蕉が深川の庵を引き払い、東北の旅に出たのは元禄2年(1689年)です。隅田川と小名木川が交わるところに、「芭蕉庵史跡展望公園」という小さな公園が整備されています。公園内にある芭蕉の像は、午後5時になると清洲橋方面へ45度回転するらしいのですが、公園は午後4時半に閉まってしまうため見ることは叶いません。
対岸の中央区側のビルの向こうに、陽が沈み始めました。
※Nikon D7100で撮影