【12】台東区鳥越 おかず横丁
おかず横丁──なんとも魅力的な名前の商店街です。浅草橋から蔵前橋通りを渡ったところに広がる鳥越地区は、かつて家族経営の町工場が多かったため、ごはんさえ炊けば食事の準備が済むよう、おかずを売る惣菜屋が並んでいたそうです。今はシャッターを下ろしたままの店が目立ちますが、それでも揚げ物を売る精肉店、味噌屋、魚屋などが残っています。
提灯が並び、スピーカーから歌謡曲が流れ、「洗練」という言葉とは無縁ですが、そのぶん昭和の懐かしい雰囲気を味わえます。全長230メートル。関東大震災前から店舗ができていたそうです。
草なぎ剛主演のドラマ「恋におちたら」で使われたそうです。テントを基準に水平に撮影したつもりでしたが、看板や魚が並ぶケースが傾いている感じがします。建物自体が傾いているのかもしれません。
和菓子屋ですが、夏に売るかき氷が絶品です。氷がきめ細かく、ここより美味しいかき氷を食べたことがありません。大工が使うカンナと同じく、刃の微妙な調整が肝だそうです。かき氷担当の奥さんは夏場はフル稼働、和菓子担当のご主人は手持ち無沙汰で客と世間話をしています。水饅頭も美味です。
この店は今も営業しているのか不明です。色合いがとても綺麗だったのでシャッターを押してみました。
味噌と漬物の店。きちんとしたホームページを持っていたり、高島屋の催事に出店したりと、とても頑張っています。近くの小学校の社会科見学先にもなっています。
ここも魚屋、「うおよね」。
佃煮をはじめ総菜が売っています。中段左端は青豆。その隣はわかさぎの甘露煮です。
新しい店舗もちらほら見かけます。ここは染織などを扱うつばめ工房。台東区は職人の育成・支援に力を入れており、その一環で出店したのではないかと思います。
路地に作られた物干しで犬がくつろいでいました。左側の建物は都寿司という寿司店で、財前直見、木村佳乃、水野真紀が出演していたドラマ「スチュワーデス刑事」で使われました。
おかず横丁から少しはずれたところにある植え込みから、大きな木がそびえていました。
※Fuji X20で撮影