Shooting Tokyo

東京を撮り歩く

【164】墨田区墨田 カネボウがあった町

前回歩いた東白鬚公園から西へ。墨東通りを渡ると、近代日本の発展を支えた鐘ケ淵です。住居表示で言うと墨田区墨田。明治期から戦後の高度経済成長後期まではカネボウの城下町として賑わっていたのだと思います。今は古い家々がひしめく下町の住宅街です。

 

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墨東通りに沿ってコンクリート塀が続きます。ところどころ剥げ落ち、レンガが露出、只者ではないではない雰囲気が漂っていました。1968年までここにあったカネボウの工場のものです。工場跡地はいま、運動場などとして利用されています。

 

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1887年にこの地に創業した鐘淵紡績は、日本の基幹産業だった繊維のメーカーとして工業化の一翼を担いました。戦後になると公害が社会問題化、1969年にここから工場を移転しました。バブル崩壊後に粉飾決算が明らかになり、会社はバラバラに切り売りされて消滅したのは記憶に新しいところだと思います。化粧品事業は花王が継承、カネボウの名は残り、何かの事業部が今も鐘ケ淵にあります。

 

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周辺は古い家々が残っています。建物が低層で、スカイツリーがよく見えます。

 

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東武スカイツリーラインの鐘ケ淵駅前。駅前の商店街は、営業しているのかどうか分からない店舗が並ぶ寂しい雰囲気でした。

 

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隅田川七福神の1つ、多聞寺。茅葺きの門は、震災や空襲で焼け野原になった墨田区内に残る最古の建造物だそうです。敷地内には、東京大空襲で被災した浅草国際劇場の鉄骨や、映画関係者の共同墓碑も展示されていました。

 

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鐘ケ淵の北西には荒川が流れ、気持ち良さそうな河川敷が広がっていました。

 

Ricoh GRで撮影

 

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