Shooting Tokyo

東京を撮り歩く

【33】台東区上野 うえの夏まつり

「今宵は夜市が開かれる。夕闇の迫る空にそう告げたのは、学校蝙蝠だった」ーーと始まる恒川光太郎の小説「夜市」の不思議な雰囲気をちょっぴり味わえます。不忍池湖畔に開かれた骨董市の出店には裸電球が灯り、アフリカ風の置物や戦前の古本、アンティークアクセサリーなど訳の分からない品々が売られています。

 

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夏まつりと称しつつ、出ているのは骨董品屋ばかり。池端独特の湿気と、古物が発するレトロな雰囲気が相まって、全体的にけだるさを醸し出しています。夏の夕暮れにピッタリです。

 

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私が小学生時代の上野夏祭りは、カブトムシや鈴虫を売る店、楽焼きを体験できる店などもあり、もっと賑やかだった記憶があります。今はとても静かで、店先にぶら下げられたラジオから流れるNHKのニュースと、虫の声だけが聞こえてきます。電球も今はLEDに変わりました。

 

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左端は戦前の読売新聞。写真誌LIFEもおそらく第二次大戦前のものと思われます。

 

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こんなものまで売られいました。800円です。

 

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もう意味が分かりません。6万円でした。背後には大黒様っぽい置き物が。統一感まったくなし。

 

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これも何に使うのか。後ろには首が陳列されていますね。

 

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骨董市を離れて弁天島まで行くと、ふつうの出店も少しだけ出ています。奥の階段の上に見えるのは、上野公園の清水観音堂です。

 

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ライトアップされた弁天堂の上を、小説「夜市」のように蝙蝠が飛んでいました。都内でも夕方になると蝙蝠を見かけます。

 

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まだ日が落ちる前の不忍池。この季節は蓮の花と葉で池が覆われています。

今年の夏まつりは8月10日まで、夕涼みにおすすめです。

 

Ricoh GRで撮影

 

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