Shooting Tokyo

東京を撮り歩く

2015-01-01から1年間の記事一覧

【番外12】沖縄県備瀬 岬の古集落

人口580人の古い集落が、南国の強い陽射しを遮るフクギ並木に覆われ、本部半島の北端に静かに佇んでいます。縦横に走る細道には白砂が敷かれ、その向こうにはエメラルドの海が顔を覗かせます。あまりに美しく、木々の中を歩く自分に酔いしれてしまいまし…

【105】文京区湯島 盛夏の孔子廟

ここは実に夏が似合います。湯島聖堂。陽射しが差し込む深い緑色の木々の下に立ち、耳がおかしくなるくらいたくさんの蝉の声を聞いていると、子供のころの夏を思い出します。そういえば幼稚園時代、ここの公衆便所で転んだ嫌な思い出が。あれは本当に転んだ…

【104】港区神谷町 オフィス街の寺カフェ

赤坂にオフィスが移転する前、たまに、いや、よく利用していました。東京メトロの神谷町駅から徒歩0分、光明寺という浄土真宗の寺が境内を開放し、近隣の会社員のおサボりスポットとなっています。 何だか疲れているな、仕事がうまく行かないな、と思ったと…

【103】江東区富岡 深川のびしょ濡れ祭り

深川の水かけ祭り、初めて見物しました。うーむ、すごかった。こんなに水浸しにして神輿は大丈夫か、というぐらい大量の水が沿道から浴びせられていました。恨みのある人が担いでいたら、ぜひ水かけ役として参加してみたいです。今日15日は町会の神輿が3…

【102】北区赤羽台 公園に残る防空壕

戦前の北区は工廠など陸軍の施設が多く、東京が軍都だった時代を忍ばせる跡が今も残っています。昨年のこの時期は王子の中央図書館を訪れましたが(【35】の回、この記事の最後にリンク)、終戦から70年を迎える今年は「赤羽台さくら並木公園」にある防…

【101】台東区浅草橋 後編

今回は駅を離れ、街の奥へ。空襲を逃れた長屋がポツポツと残り、狭い路地からカビ臭さが漂ってきます。このブログの第1回目、下町の古い街並みを撮ろうと墨田区京島まで出かけましたが、自分が暮らす浅草橋も昭和レトロ感いっぱいだったことに気づきました…

【100】台東区浅草橋 前編

2014年3月に始めたこのブログも、おかげさまで100回目を迎えました、番外編を含めれば112回目です。読者のみなさま、ふと立ち寄っていただいたみなさま、どうも有難うございます。これからもよろしくお願いします。 今回と次回、近すぎてこれまで…

【99】台東区上野 うえの夏まつり2015

不忍池のほとりに骨董屋が並ぶ、とても静かな夜祭りです。フィラメントのジーっという音だけが聞こえてきそうですが、白熱球を模したLED電球なのでそんなこともなく、たまに耳に届く店主と客の会話がよく響きます。猛暑が続きますが、陽が落ちた後の水辺は風…

【98】港区東新橋 カレッタ汐留

電通本社や劇団四季シアターがある高層ビルとして有名です。汐留の再開発がおおむね完了したのが2002年。つい先日のような感じですが、開業からもう13年経ちました。46階のレストランフロアからは、台場やレインボーブリッジがよく見えました。 眼下…

【97】墨田区横網 旧安田庭園 納涼の夕べ

かつては隅田川の水を引き込んでいたという池の周りに提灯が並び、これぞ江戸の夏という雰囲気いっぱいです。普段は午後4時半に閉園する旧安田庭園ですが、「納涼の夕べ」が開かれる8月初めの週末は、暗くなっても門が開いています。 提灯、日本式庭園、そ…

【番外11】千葉県市川市 江戸川花火大会2015

江戸川を挟み、会場が江戸川区側と市川市側に分かれています。いちど江戸川区側で見てみたいと思いつつ、勝手が分からず場所取りを失敗したくなかったので、例年どおり市川側の河原に陣取りました。ビールを飲み、唐揚げを頬張りながら、1万4000発を堪…

【96】台東区寿 隅田川花火大会

ものすごい人出になるので例年は見に出かけませんが、今年は天気も良かったので少しだけ覗いてみました、地元の隅田川花火大会です。川沿いまで行けばよく見えますが、人混みに酔いそうなので、近所の横道から。建物に一部遮られますが、台東区寿のここは穴…

【95】台東区上野公園 朝の不忍池に咲く蓮の花

蓮に覆われるこの時期の不忍池は葉っぱの青くささが充満し、夏がやって来たことを実感させてくれます。朝7時に着くように出かけたら、蓮の花が見事に開いていました。 開花した蓮をまじまじと見たのは、これが初めてかもしれません。色といい、形といい、造…

【94】江戸川区北葛西 行船公園・金魚祭り 2015

猛暑にもかかわらず、昨年よりも明らかに人出がありました。最寄駅からアクセスが不便なのが難ですが、ずらりと並んだ水槽やたらいの中を泳ぐ金魚は見ているだけで涼しげで、満足感の高いイベントです。今年は和金3匹、メダカ6匹を持ち帰りました。 1匹8…

【93】千代田区九段 靖国神社・みたままつり

子供のころに見かけた見世物小屋やお化け屋敷、雷魚釣りの露店が何だか不気味で、夏の淫靡な空気と相まって、おどろおどろしい印象が強いイベントです。しかし、今年は露店がまったく無し、若者が大騒ぎするからだとか。祭り感が低下して残念でしたが、鎮魂…

【92】港区赤坂 梅雨晴れのマジックアワー

午後7時前。ブラインドの隙間からオレンジ色の光がちらりと見えたので、全開にしてみたら見事な夕焼けでした。風が強かったからでしょうか、水蒸気が多い季節なのに珍しく空気が透き通っていました。赤坂のオフィスから、新宿方面を臨む。 ※Sony RX100で撮影…

【91】足立区西新井 西新井大師・風鈴祭り 2015

昨年に負けず劣らず暑い日でした、今年も西新井大師の風鈴祭りへ行ってきました。ガラス、鉄、青銅…全国からおよそ500種類の風鈴が一堂に会します。さーっと風が通ったときの大合奏は圧巻でした。お約束のかき氷も堪能しました。 各地から特色のある風鈴…

【90】台東区浅草 ほおずき市

例年は蒸し暑いほおずき市、今年はあいにくの空模様で肌寒くさえ感じました。そのためか人出もいまいち。それでも暗闇に浮かび上がる電灯の光は幻想的でした。7月10日までです。 浅草寺の参道をしっとりと雨が濡らしていました。露店の前を通る客の足を止…

【番外10】神奈川県鎌倉市 祇園山ハイキングコース

いつも小町通り辺りをぶらぶらしてお終いなので、ちょっと違う鎌倉をと思い、祇園山のほうまで足を運んでみました。霊気を感じる山道を歩いて汗をかいた後、雪ノ下で立ち寄ったカフェは、大佛次郎の別邸を改装したもの。広々とした庭を眺めながら、まったり…

【89】台東区松が谷 かっぱ橋本通り 下町七夕祭り

かつてこの辺りは河童が住むのに適した湿地帯で、星々に暮らす神様が、願い事を叶える力がなくなると河童としてこの地に送られていたそうです。修行を経て天の川に帰る彼らを見送るため、七夕祭りが開かれるようになったとか…。由来はともかく、商店街による…

【88】墨田区横網 蔵前橋東詰

両国国技館がある街なので、横綱(よこづな)と読み間違えそうですが、横網(よこあみ)です。かくいう私も、けっこう最近まで勘違いしていまいた。由来は不明ですが、かつてはこの辺りまで海だったためと想像します。古い家がポツポツと残る一方、新しい飲…

【87】台東区今戸 穢多頭弾左衛門の屋敷跡

観音裏をさらに北東へ、奥浅草とでも呼べばいいのでしょうか、今戸という住居表示が現れます。江戸時代、ここには塀などで囲まれた一画がありました。関東一円の被差別民を統括する「穢多頭」の屋敷・役所を中核に、その役人などが住んでいたそうです。 穢多…

【86】墨田区墨田 玉の井

ブログの更新を重ねるうちに、街には指紋ならぬ「地紋」があると思うようになりました。その土地で生きてきた人たちの思いやエネルギーが沈殿し、そこから発する独特の空気が漂い続けているように感じます。かつて玉の井と呼ばれた現在の墨田3丁目付近も、…

【85】台東区鳥越 夜の鳥越祭

今年も鳥越祭の時期が到来しました。朝から鳥越・蔵前・浅草橋エリアを神輿が練り歩きますが、この祭の醍醐味はやはり夜。濃い群青色の空と、ゆらゆらと揺れる提灯のコントラストは幻想的です。 鳥越神社の宮入参拝を終え、蔵前橋通りに出てきた西三筋町会の…

【番外9】シンガポール ゲイラン赤線地区

先日他界したリー・クアンユー元首相は、開発独裁という発展モデルでシンガポールをアジア随一の近代国家に変貌させました。中心部は未来的な都市ですが、少し郊外に行けば、開発とは無縁の東南アジアっぽい下町風景が残っています。公娼街があるゲイランは…

【84】文京区白山 あじさいの白山神社

隣接する公園と合わせ、およそ3000株のあじさいが植えられているそうです。花が咲く前の青々とした状態を撮影しようと出かけたら、予想以上に開花していました。 創建は940年ごろと伝えられる古い社です。大通りから奥まった住宅街に建ち、しっとりと…

【83】台東区浅草 三社祭 2015

前回に続いて祭ネタです。東京の下町がシーズンに突入したので必然的に…。浅草神社の氏子ではない私は神輿を担ぐことなく、傍観者として、今年は浅草寺境内を中心に撮影しました。 私が知る限り、ここが唯一、浅草寺の五重塔と東京スカイツリーを同じフレー…

【82】千代田区 神田祭

日本三大祭りなのか、江戸三大祭りなのか、よく分かりません。しかし2年に1度、5月第2週目に神田界隈が燃え上がるのは間違いありません。江戸の総鎮守・神田明神の氏子町会の神輿およそ200基が日本橋、大手町、丸の内、神田、秋葉原を練り歩きます。 …

【81】大田区山王 文士村

池上通り沿いのゴチャゴチャした商店街から丘を登ると、山王の高級住宅街が広がっています。そこには、かつて徳富蘇峰や尾崎士郎、高見順といった文筆家が多く居を構えていました。馬込エリアにも広がる文士村は途方もなく広大なうえ、坂が多く、とても歩い…

【80】板橋区赤塚 東京大仏

日本で3番目に大きいとされる大仏が、人知れず板橋区に鎮座しています。最寄の東武東上線下赤塚駅から徒歩20分、便利とは言えない場所にあり、都内らしからぬゆったりとした時間が流れています。 高さ約13メートル、奈良、鎌倉に次ぐ大きさだそうです。…