【２３】千代田区秋葉原 青果市場跡
再開発で今は大きなビル群が建ち並んでいますが、かつて電気街口の駅前には神田青果市場、通称「やっちゃば」がありました。毎朝、電動荷車が青果物を載せて実家の前を通り、私はそのモーター音で目が覚めていました。今回はいわゆるアキバではなく、やっちゃばの記憶を訪ね歩きました。
山手線のガードを挟んだ東側には、廃品回収業者が今も残っています。秋葉原に市場が存在していた当時、全国各地から野菜や果物がこの地に運ばれ、不要になった段ボールを業者が回収していました。今も電気店などから出る段ボールを回収しているのだと思います。この写真では看護師さんらしき人が持ち込もうとしています。
農協の機関紙、日本農業新聞の本社もあります。この辺りの狭い地域がまさしく秋葉原、なぜなら住所が台東区秋葉原だからです。電気街のほうは千代田区外神田です。再開発以前はこちら側は薄暗く、ほとんど行ったことがありませんでした。ヨドバシカメラが近くにオープンし、周辺の道幅が広がってからはガラリと雰囲気が変わりました。
東京メトロ銀座線の末広町駅近く、外神田４丁目の路地にある老舗のフルーツパーラー「フルーフ・デゥ・セゾン」です。
フルーツパーラーのすぐ傍には、ポンジュースを製造・販売する「えひめ飲料」の東京営業部があります。
AKB劇場の裏にある定食屋「かんだ食堂」。ボリュームが多いことで有名です。市場で働いていた人仕様だったのだと思います。
こちらも昔からある安くておいしいラーメン屋、「関取りラーメン」です。あっさりした醤油味がクセになります。店名の由来は分かりません。
神田青果市場は１９９０年に大田区へ移転、跡地は秋葉原UDXというオフィスビルに生まれ変わりました。入居する飲食店街の名称「AKIBAICHI」に痕跡が残っています。
※Ricoh GRで撮影
